長野県警察の組織再編整備計画について
【質問:寺 島】
警察組織の再編にあたり、県警察本部では、「長野県警察組織のあり方を考える懇話会」の意見書を基本指針として検討がなされ、本年5月12日に「長野県警察の組織再編整備計画(案)が公表され、パブリックコメントを行い、関係地域への住民説明会を開催し、県民の意見や市町村等関係者の要望等を踏まえ、9月11日に修正が加えられた、今回の成案が公表された訳であります。
5月12日公表の原案から、9月11日公表の修正案との大きな変化は、
①各庁舎に、9人体制(警察官7人)の大型警部交番を設置する
②川西庁舎(現 望月警察署)に新たに交通機動隊6名を配置する。
などでありました。
そこで過日、長野県警察のトップである本部長が交代されたこともあり、改めて長野県警察本部長に伺います。
Q1 はじめに、6月議会における私の質問に対し、前警察本部長は、『再編により新たな上田警察署及び佐久警察署は、大規模警察署となり現在の丸子・望月及び南佐久警察署の管内については、再編後は各種警察活動を行うのに現在の数倍の警察官を投入することが可能となり、警察力は強化されることとなる。
また、丸子・望月及び南佐久の各警察署の交番、駐在所はそのままの配置とした上で各分庁舎には、大型交番のほか自動車警ら班や警察本部執行隊を配置して相当数の警察官を置く、こうしたこともパトロールや初動警察活動の強化につながる。以上により丸子・望月及び南佐久の住民の方々には、従来よりも安全・安心を感じていただけると考えている』と答弁された。
事案が発生したとき、初動活動はパトロール等身近にいる警察官が行うとしても専門事案処理や捜査は、本署から駆けつけなければならないと考える。
今までより時間はかかり地域の警察力は低下するのではないかと懸念するが、どのように対処して地域の警察力の充実をしてゆくか、具体的に伺います?
Q2 次に今回の組織再編計画では、地域部門の機能の強化のため県警察本部に「地域部」の新設をする。「地域部」に自動車警ら隊を置き、警察署の活動を支援するとある。
この県警察本部に新設する「地域部」は、どのような目的でどのような内容の部として活動してゆくのか、具体的に伺います?
【答弁:警察本部長】
事件事故発生時には、警察官が早期に臨場し、初動捜査、被害拡大防止等の初動警察活動を行うことが重要である。
このたびの再編整備計画では、再編整備の対象となる地域の交番・駐在所を従来どおり配置しつつ、警察署庁舎には、警部交番を配置することとしている。
また、各庁舎には、機動捜査隊、交通機動隊、自動車警ら隊を配置し、東信地域における初動捜査活動や交通指導取締りの活動を強化することとしている。
また、こうした初動警察活動の強化に加え、警察署の大規模化により、夜間・休日の当直体制が強化され、大量の捜査員の投入が可能となるなど、専門捜査部門においても、警察力が十分に確保されると考えている。
なお、再編によって、パトカーによるパトロールが強化されるが、これら再編によるパトロール強化とパトカー等の活動状況を容易に把握できるカーロケータシステムの整備を始めとする通信指令機能の高度化とが相まって、事案発生の際、現場に最も近いパトカー等に現場急行を瞬時に支持することが可能となるなど、これまで以上に事案発生時の対応が充実するものと考えている。
次に、新たに設置を予定している地域部は、110番に対応する通信指令等の初動警察活動と地域の安全・安心に直結する活動を行う地域警察の充実強化を図ることを目的に設置するものである。
具体的には、① 警察事象の多様化、スピード化が進む中、警察署、交番・駐在所、自動車警ら隊、航空隊等の多様な警察力の連携強化 ② 警察署人員の約4割を占める交番・駐在所等の地域警察官の活動基盤の強化のため、広域にわたるパトロールを行う自動車警ら隊の本部直轄部隊を効果的に運用することとしている。
【質問:寺 島】
Q3 確かに、広域パトロールや初動活動の強化にはなるかもしれない。しかし一方、長野県の警察官の人員には変わりはない。県警察本部の組織が拡大すれば組織は頭でっかちになり、出先の組織は手薄になると思う。
かつて、地域に密着した、地域に親しまれる警察づくりが大切であり、地域に密着した親しまれる警察が、地域住民にとって「安心感」を持っていただくことにつながるといわれて来た。
身近な地域に「警察署がある」ということが住民皆さんに「安心感」を与えてきた。
したがって、今回統合される各警察署のある住民の皆さんからすれば、不安を感じざるを得ないのかもしれない。
パトロール活動や機動力は充実するかもしれない。しかし、こうした住民の皆さんがいつでも気軽に相談等ができる、「地域に密着した警察」を維持するために組織再編後、どのように対処してゆくのか伺います?
【答弁:警察本部長】
再編後、各庁舎には警部の階級にある者を所長とする警部交番を設置し、警察官に加え、交番相談員を配置して、地域の方々からの様々な相談に対応することとしている。
また、再編により、駐在所においても、警察署が大規模になることから勤務員の捜査への転用勤務が抑制され、地域住民の要望の把握、防犯指導、パトロール等の地域に密着した警察活動が充実し、地域の方々の身近な不安に、より適切に対応することが可能となると考えている。
さらに、各庁舎における防犯協会、交通安全協会等の地域の関係団体と、従来どおり連携して犯罪や交通事故防止に取り組んでいくこととしており、緊密な連携が図られるよう配慮していく。
さらに、再編整備後においても、住民の意見を伺いながら地域に密着した警察活動を進めていく。
【質問:寺 島】
立科町議会は、5月12日に公表された再編整備計画案では十分な納得ができないとして、県議会に対し、「望月警察署の存続と警察力の充実」を求める請願が提出された。
私も5月12日に公表された再編整備計画案では、いささか疑問であったので、請願の紹介議員になり、6月県議会において8項目の質問を県警察本部に行った。
その後、立科町町長を先頭に、区長会、部落長会、消防団、交通安全協会、防犯組合等の代表の方々が、警察本部に対し要望活動を行いました。
立科町の警察本部への要望活動や県警察本部との意見交換の過程で、「さらなる地域の警察力の充実」を求める必要があると判断した立科町の小宮山町長は、望月分庁舎(原案では)に「本部執行隊設置を含む、警察力のさらなる充実」を求める請願を提出することになりました。
私は、6月議会における、私の質問に対する警察本部長の答弁、すなわち 『各分庁舎に配置される人員は、現在の警察署における管理部門を除いた実働警察官数とほぼ同程度になると考えている』という答弁や、小宮山町長を先頭に行われた要望活動での意見交換での経緯などを勘案し、警察本部では、現在の地域の警察力を低下させない方向で検討がなされているであろうと期待できると判断をし、小宮山町長提出の請願の紹介議員になり、「望月分庁舎に本部執行隊設置を含む、地域の警察力の充実」を求める請願の提出を県議会に行い、同時に長野県警察本部長と知事に要望をした。
そして、9月11日に今回の成案が公表されたわけである。
今回公表された再編整備計画案は、6月議会での私の質問に対する警察本部長の答弁に近いものであり、さらに、立科町町長先頭に行われた要望が大方盛り込まれたものであり、一定の評価ができると思う。
夜間のパトロールの強化や、白樺高原における臨時警備派出所が設置しやすくなることなど地域の皆さんは期待している。一方、地域に親しまれる、地域に密着した警察活動ということについては、駐在所は、午後5時で閉まってしまうなど、若干の課題があるのではないかと指摘しておきたい。
Q4 6月議会において知事に伺ったが、今回公表された警察組織再編整備計画案を実現するためには、必要最小限とはいえ知事部局の予算措置が必要になると思う。ですから、県警本部では予算措置の必要な再編整備計画においては、明確な表現ができずにいるのではないかと考える。
そこでくどいようで恐縮ですが、今回の警察組織の再編計画案に対する、知事の所見と決意を伺います。
【答弁:村井知事】
先の6月定例会におきまして寺島議員の質問にも答えたが、今回の警察組織の再編は、将来を見据え限られた人員や体制を最大限に活用して、社会情勢や治安情勢に的確に対応した警察力の維持・強化を図っていくために、必要な見直しであると認識している。
また、警察活動の遂行には、地域住民との協力や連携が不可欠であり、再編計画案の策定に当たっても、パブリックコメントや住民説明会などを通じ、広く御意見や御要望を聞きながら検討を進めてきたものである。
こうした見直しであるから、見直しにかかる経費については、見直しの趣旨に沿って必要性や内容を十分吟味はするが、組織再編整備が円滑に実施されるよう、適時適切に措置していくことを約束する。
【寺 島】
先日、佐久市内の親しい友人が経営する店で、強盗・傷害事件が発生した。オオナー夫人の通報後数分のうちに警察官十数人が駆けつけ、店の従業員の協力もあり、無事解決をしたと聞いた。
この時友人は、「今の警察はすごいね」と感心していた。
地域に住む人々が「安全」で「安心」して生活できるためには、機動力ある「強い警察」と地域に密着した「やさしい警察」とが両立できる警察組織が大切だと考える。
県民に信頼される、長野県警察組織となることを切望する。