3月3日県議会で質問をしました。以下質問内容です。
ご意見をお聞かせください。
(1)繰越予算について
Q 最近の県予算の執行状況を見ると、異変が起きているような気がしてなりません。平成14年度一般会計繰越額―362億円、15年度―484億円、16年度―611億円であり、この16年度の17年度への611億円の繰越額は、16年度投資的経費1725億円の35.5%にまでになっているのです。
ここ数年急に、土木部・農政部・林務部の工事予算の繰越額が増えています。
言うまでもなく予算は、県が何を実施するか表したものであり、県の県民への約束であります。すなわち、当然年度内に執行されることが大前提であるはずであります。
予算執行後、災害など不慮の事故により年度内完了できず、やむを得ず繰越をする、いわゆる契約繰越は理解できますが、未契約繰越(予算は付いているが事業をしない)が繰越額全体の6割以上になっている。
そこで、土木部・農政部・林務部の公共県単事業の繰越予算がどれくらいあるのか? そして、そのうち未契約繰越予算がどれくらいあるのか?
さらに、この現状をどのように認識しているのか? (土木・農政・林務部長)
Q 例えば、土木部の場合、16年度から17年度への繰越額は、約450億円であり、この3分の2以上の約300億円が未契約繰越額であります。災害事業の未契約繰越額を除いたとしても、土木部の公共・県単事業の未契約繰越額は200億円にもなります。これは17年度土木部県単事業予算の当初予算額と同額で、正に多大な額であります。
そこで、このような状況の中で、どのような対策を講じているのか? (土木部長)
Q 予算は年度内にきちんと執行されるべきものです。
未契約繰越は、不執行予算と同じであります。あってはならないことです。
「歩道を整備します」「河川の氾濫を防ぎます」「がけ崩れを防ぎます」と県民に「実行します」と約束した予算です。県民は、安心な地域づくりが進むと期待しています。ところが、予算の半分近くが執行されず繰り越されるということは、まさに県政が停滞しているといわざるを得ません。
13年度投資的経費3025億円から16年度は1725億円と1300億円も急激に減らされ、その上17年度は、35・5%-611億円もの繰越を出している。
この現状を、県内の建設産業従事者が聞いたら、どう思うでしょうか?
県内建設事業者は、そのほとんどが小規模事業者であり、オーナー社長であります。仕事が無くなったからといって、身近な従業員を簡単に解雇することは出来ません。従業員の生活を担っている経営者は、やむなく県外に仕事を求めざるを得ないのです。
新潟県の災害復旧事業に仕事を求めて多くの県内事業者が出稼ぎにいています。昨年新潟県の栃尾市にある「道の駅」に行くと、沢山の県内の建設工事従事者に会いました。
話を聞いてみれば、「およそ生活などとはいえない、劣悪な、惨めな飯場で寝泊りしながら、地勢の異なる所での工事は効率が悪く、工期内に完了するか心配でならない。家に帰れるのは2週間に一度ぐらい、全く惨めな思いで働いている。下請け、孫請けで利益が出るかどうかもわからない。いつ倒産するかもしれない。それでも、それでもここで踏ん張ればなんとかなるかもしれないと思い、頑張っている」とのこと。
こんな現実があることを認識していますか?
予算提案者である知事は、県民に約束した、その年度内の予算執行に最大限の努力をすべきであり、言い替えれば、予算執行者として未契約繰越など出してはならないのは、当然で当たり前のことであります。
しかしそれがここ数年、未契約繰越が多額に翌年度に繰越されるということは、予算の視点からも長野県政は異常であると申し上げざるを得ません。
予算提案者である知事は、県民に約束した、事業の実現に向けて実行していないということであります。
毎年多額の未契約繰越が出ていますが、18年度予算編成では、19年度への未契約繰越予算の解消に向けどのような対策をするつもりか? (知 事)
現地機関では人手が足りないとのことです。
県予算の年度内執行が出来ないのに、つまり、県民に約束したことが実行できないのに、県職員を市町村に給与を付けて派遣している場合ではないと思います。予算提案者である知事は、年度内執行に責任を持たなければなりません。
(2)県民応援減税について
Q 私は、2月25日の新聞各紙に掲載された「広報ながのけん」を見て驚きました。その冒頭には大きな文字で「総額8億円の県民応援減税」と記載されていました。しかしながら、内容を詳しく読むと、「減税額5億円 信州に安全・安心・安定をもたらす県民応援減税」さらに「総額3億円 加えて減税や奨励金を検討中」と付け加えてありました。これではまるで詐欺広告ではないでしょうか。いつから、減税規模は8億円になったのでしょうか。今後3億円規模の減税や奨励金を検討するとしているのは、現段階で県民に約束できる内容なのでしょうか。まさに欺瞞に満ちた県政のやり方だと思います。
また、知事提案説明では、「今後、さらに検討を深め、ガソリン価格の適正な価格表示を行う事業者や24時間営業を短縮するなどの省エネを進める事業者、暖かい洋式便座にしている飲食店や土産品店、あるいは農薬を今までの半分以下に抑える「レスザン50」を導入する農家、こうした方々の取組を報奨すべく、3億円規模の減税や奨励金を鋭意検討します」とされていますが、今後具体的にどういったスケジュールで、どうやって3億円規模の減税や奨励金を検討していくのか? (経営戦略局長)
Q 先ほどの経営戦略局長の説明で、3億円の減税を県民に説明できる状況といえるでしょうか。ガソリン価格の適正表示やレスザン50に取り組む農家に対してどうやって徴税の公平性を保ちながら減税していくのでしょうか。実際には出来もしないのに、口先で言っているだけではないのでしょうか。口先だけでないなら、何故、今回条例案として提出されないのでしょうか。今後検討の3億円が条例案や予算案といった形で提案されていない理由について知事にご説明をお願いします。
また、内容が固まっていないのに何故3億円と言っているのでしょうか、あわせてご説明ください。 (知事)
これでは、対象がなければ、1000万円で終わってしまうかもしれない
それを、3億円の減税とは、県民に嘘をつくことになる
新聞広告では「減税規模8億円」と県民に示しながら、そのうち3億円については減税なのか奨励金なのかも不明確なままで、条例案の形はおろか、その内容さえも明確に説明できない状況というのは、田中県政の象徴とも言えることではないでしょうか。
脱ダム宣言の際に代替案はあると言い張りながら、5年経っても具体化されない治水・利水対策。公共事業に頼らず3×3で産業を育成していくとしながら、なんら具体化されない産業政策。産業廃棄物処分場の設置について県民の合意を得ながら着実に進めるとしながら、ただ中断したままの廃棄物対策。ガラス張りの県政と言いながら、都合の悪いことは隠し続ける情報公開など、まさに田中県政を象徴している。
(3)農業振興と組織再編について
Q かつて長野県農業は、4300億円の農業総生産額を有しました。しかしながら、今や長野県の農業総生産額は、2800億円台にまで落ち込んでしまいました。
先日、田山農政部長は、宮沢敏文議員の代表質問に対し、「農業総生産額が落ちているのは、農業の国際化等の影響で、長野県だけでなく全国的に落ちている」と答弁されました。 このような認識だから心配でならないのです。
長野県の農業総生産額は、十数年かけて、全国的には4位・5位の農業県から、
愛知県・熊本県・新潟県・宮崎県等に抜かれ、9位ぐらいにまで転落しているのです。ここに問題があるといっているのです。いったい長野県農業はどうなってしまったのか、本当に心配でなりません。
そこで先ず、長野県農業は、愛知県・熊本県・新潟県・宮崎県などに抜かれ、何故ここまで落ち込んでしまったのか?その原因はいったいどこにあると考えているのか? (農政部長)
Q 先日、農政部長は宮沢議員の質問に答えて、「ブランド化や、原産地呼称管理制度の施策が、長野県農業の再生に繋がる道である」と答弁されました。
それでは、それらの政策で、農業生産額は「いくらぐらい」増加でき、「いくらぐらいの付加価値」を生み出すと考えているのか? (農政部長)
Q さらに農政部長は、「県内農業は、マーケットの動きについて行けなくなっている。品目が特化しすぎている」と答弁されました。
本県の農業生産額が、ある日突然落ち込んでしまったわけではありません。
13―14年間の間に、全国4位から9位へと、金額で1500億円落ち込んできているのです。
そんなことはわかっていたはずです。今まで何をやってきたのか。
今日まで、その対策を講じてこなかったのではないかということです。
長野県の農業振興のために、目標や目的を持って明確に進もうとする、地に足の着いた農業施策がおこなわれていないと大変心配であります。
昨年の3月に出た、国の食料・農業・農村基本計画を受けて、長野県農業振興計画の作成が進められていると思いますが、出来たのでしょうか?
また、今までの計画の評価と総括はどのようなものであったのかあ? (農政部長)
Q H16年9月議会の農政委員会において「長野県の農業生産額の向上策は何か? 目標値はどこに置くのか?」との私の質問に、当時の農政部長は「2005年3月に出る、国の新方針を受けて、長野県の農業振興計画を作ってゆく、ついては今までの計画の評価と総括をきちんとした上で新計画を作ってゆく」と答弁されました。
更に、翌H17年3月議会の農政委員会において、「今までの計画の評価と総括はどうなりましたか?」との私の質問に、「毎年分を積み上げているところで、これからだ」と農政部長は答弁しました。
そして「新たな農業振興計画はどのような手法・過程で作るのか?」との質問に、部長は「それはこれからだ」と答弁し。
さらに「数値目標は作るのか?」との質問に、「一定のものはつくる」と答弁されました。
「いつまでに農業振興計画を作るのか?」との質問に「秋ごろまでに作る」と答弁されました。(昨年の秋には出来ていなければいけないのです)
また、「H22年まで生きている、農業生産努力目標値と新たな長野県農業振興計画との整合性はどうするのか?」との質問に、「それらを踏まえて作る」と農政部長は答弁しているのです。 どうして未だにできないのか? (農政部長)
Q まったく地に足の着いた農政が行われていないといわざるを得ません。
それでは、次に農政部において、長野県農業振興という概念で政策を考え、施策化し予算化したものが、いざ執行になったら他の部で行うというのは不自然である。
概念として農政部の考え通りに行くかはなはだ疑問である。
何故、4月1日から組織変更するなら、変更後の所管で予算編成しないのか? (経営戦略局長)
Q こういうことで、農業振興の捉え方がうまくできるのか?
農業振興という観点で法律が定められ、その法律の下で政策があり、そして実行すべき施策に繋がってゆくはずであります。
例えば、土地改良事業の水利施設改修は、農業振興のためにあるはずである。それを生活環境部で行うということになれば、一義的に水環境の観点になり、農業振興という目的が薄らいでしまい、結果において農業振興は二の次になってしまう。また、農業土木技術も散漫し、育ちにくくなると思います。
長野県の農業生産額が大幅に落ち込んでいるときに、これでよいのでしょうか? 自然を守り環境を守ることはもちろん大切です。むしろ、自然や水環境を守るという目的を持った生活環境部としっかり連携を図りながら、農政部において水利施設改修事業をするというのが本筋ではないか?
何故今の形ではだめなのか、経営戦略局長に理由を聞きたい? (経営戦略局長)
Q 農業土木の技術は、歴史的にも古くから応用され、特に戦後の食糧増産や、近年では基幹的水利施設の整備により、農地の汎用化を図り、長野県の産地化を支えてきたのです。まさに、土地改良事業は農業振興のためにあるのです。
農政部は、2月1日まで何も知らなかったようです。農政部は相談もされていない。本来なら、農政部の意見を聞いて双方で検討すべきことではないでしょうか。9月に議会に出された、組織条例改正案とも違う組織改変を突然行わなければならない理由はどこにあるのか? (経営戦略局長)
*農政部組織変更―信州ブランド・原産地呼称管理制度は経営戦略局へ。農山村総合支援事業は企画局へ。農薬・肥料安全対策は衛生部へ。土地改良事業・鳥獣被害対策は生活環境部へ。基幹農道整備事業は土木部へ
仕事のやり方すら決っていないという。
これでは全く農業とは何かが、農業振興とは何か、わからなくなってしまう。
昨年の本会議において、小松千万蔵議員は、「長野県農政に、農業生産力向上事業が少なく、予算に反映されていないと指摘しました。そして、台風災害対策の防霜ファン・防霜ネットの国庫補助事業の県費補助を全額(5億)カットしている」と指摘しました。
そのときの知事の答弁は「自己責任であり、県としての支援はしない、農業といえども、社会経済活動の一つだ」とあっさり切り捨てたのであります。
知事は、長野県において農業がいかに大切か、全くわかっていない。
だから農政部の組織をばらばらにしてもかまわないと思っているのでしょう。そこが間違いなのです。
長野県の農業総生産額は、H3年全国4位の農業立県から9位へと転落してしまいました。なぜ長野県だけが突出して減少しているのか?長野県農業は重大な危機にあるという認識が知事にはないと申し上げざるを得ないのです。
したがって、今長野県農政の重大な状況下にある時に、農政部が一丸となって知恵を出し、力をあわせて集中しなければならないときに、農政部の力が分散するような大規模の組織改変などしている時ではないのです。
まして、条例改正が出来ないから規則改正で、しかも所管部の予算の整合性も考えずに短兵急に行う組織改変は、到底認めるわけにはいかない。